【2020】京都迎賓館でセレブ気分満喫! プレミアムツアーに参加してみた

海外からの賓客を心を込めてお迎えし、日本への理解と友好を深めてもらうため、2005年に京都御苑の中に建設された「京都迎賓館」。実は見学ができるってご存じですか? 通常の公開に加え2019年夏、非公開の部屋を加えた少人数によるプレミアムガイドツアーを試験的に実施。これがとても評判となり今年1月に第2弾が本格的に実施され、参加してきました。私、初めて迎賓館を訪れたのですが、想像していたよりとても素晴らしかったです!! 
というわけで、どんな様子なのかレポートしまーす。

京都迎賓館ってどんなところ?

京都迎賓館は、東京にある国宝の迎賓館赤坂離宮と並ぶ国の迎賓施設。迎賓館赤坂離宮は洋風宮殿建築ですが、京都迎賓館は、日本建築の長い伝統の粋(すい)と美しさを現代の建築技術と融合させる「現代和風」の創造を目指して設計されています。1996年に設計が開始され、埋蔵文化財の調査などを経て建設がスタートしたのは2002年。約3年の年月をかけ2005年4月に開館しました。本来は賓客をおもてなしするための施設ですが、2016年7月より通年での一般公開を開始。テレビなどでは時折、その様子を目にすることがあったので日本の伝統技術の粋を集めた空間、ということは知ってはいたのですが、なんとな~く画面を通して見ると質素(失礼っ)なイメージがあり、わざわざ行くまでもないかしら……なんて思っていたのです(重ね重ね失礼)。
ところが2019年夏、通常公開の部屋だけでなく、非公開の部屋を加えた少人数のプレミアムガイドツアーを試験的に実施。お値段は通常よりちょっと高いのですが評判に。そして1月に第2弾を4日間実施したところ、夏の評判もありアッと言う間に定員いっぱいになったのです。 私、運よくそのツアーに参加することができたので意気揚々と行ってまいりました。
門で空港のような厳重なセキュリティチェックを受けた後、待合室に。ここでガイドさんからツアーの説明を聞いたら、いざ出発です。私、テレビで見た以外、ほぼノー知識で来たので館内がどのような雰囲気なのか想像がつかず、かなりドキドキです。

奥に見えるのが正門

最初に向かったのが正面玄関。広いですね。驚きの広さです。
「あちらの正門から賓客の御一行が車列を組んで入ってまいります」とガイドさん。そんな場に自分が立っているなんて、なんだかドキドキいたします。

京都迎賓館プレミアムガイドツアースタート

車寄せの正面に立ってみました。屋根や天井のフォルムが美しいですね。ちらりと見える天井は吉野杉の中杢(なかもく)を使用し、正面扉はなんと樹齢700年の福井県産の欅(ケヤキ)の一枚板。あんな大きな一枚板とは! いったい、どんな巨木だったんですか。
板だけで驚くなかれ。銅製の引手には見事な有線七宝(ゆうせんしっぽう・金属にガラス質の釉薬をのせて焼成する伝統技能)がほどこされています。京都の組紐をモチーフにした図柄は “絆”の意を込めたシンプルなデザイン、これは賓客との絆を表わしているそうです。こうやって一つ一つに意味や思いを込めて作られているんでしょうね。正面玄関からこの素晴らしさ。この先、どうなるのかしら。
玄関を入ると木の香りに交じって、ふわりとお香の香りが。ガイドさんによると毎回、ゲストに合わせた香を焚(た)き、上面奥に屏風を置くとともに、いけばなをしつらえ、歓迎の心を表すのだそう。障子と欄間の桟が生み出す陰翳が美しい。

こうやって所々でガイドさんの説明を聞きながら進んでいくのですが、ありとあらゆるところに、さりげなくも素晴らしい工芸や日本の伝統技能の数々が活かされていて目が足りない!! だって手前にある行灯も京指物(きょうさしもの・釘を使わず木を組み合わせる木工芸)ですし、天井の材も見事。きっとあの障子紙だって実は素晴らしいものに違いない!

職人たちの心意気に「おもてなしの心」を感じる

途中、接遇の際、正座に慣れていない賓客にお茶のおもてなしをしたり、また随行者が賓客を待つ際の待合室として使われる非公開の「琵琶の間」を通り(非公開ゾーンは写真が撮れないのです 泣)、最初の見学個所へ。ここは和食を提供する「和の晩餐室」。56畳の広さがあり、最大24名までの会食が可能なこの部屋では、京料理で「おもてなし」をします。一見、高級料亭みたいですね。桐の間には、釘隠しや襖の京唐紙など、部屋の随所に「五七の桐」が使われています。「桐の間」の名前は、日本国政府の紋章であり、京都迎賓館の紋章でもある「五七の桐」を主要な装飾のモチーフとしていることに由来するそうです。

中央に据えられた美しい座卓は長さ12mという、とても長いもの。

座卓の下は掘りこたつになっているそうなので、これなら海外の方も安心。地の木組みも素晴らしのですが、見ものはこの美しい塗り。漆を塗った後、光沢を出すために素手で磨いて鏡のように仕上げているんですって。静かな水面のような漆に庭の緑が映ってキレイ! もちろん座椅子の塗りの美しさも必見です。座椅子の背の部分には一脚ずつ微妙に色が異なる桐紋の蒔絵が施されていました。

さらに足元を見れば畳の真ん中に筋目が。これは中継ぎ表という昔ながらの技法が使われたものなんですって。穂先を中央で繋いでいるので中央5目だけ薄くタテ筋が入るのです。この畳を作るためにイグサの栽培から始めたのだとか。ちなみに1枚の畳表で使うイグサは通常は約4000本ですが、こちらは1万本も使用。倍以上違う~!
このツアーでは実際に座り賓客と同じ目線で庭を眺めることができます。3つ前の座卓の写真は、ここから撮ったもの。この他にも床の間に掛けられた掛け軸、掛け軸の表具、床の間飾り、欄間にほどこされた截金(きりかね・箔を細い線に切り、筆と接着剤で貼りながら文様を作る)など、もう素晴らしい作品ばかり。この部屋1つだけで職人たちの技と心意気、最高のものを作りたいという本気の気持ちが伝わってきます。

桐の間の床飾り

ここから廊下を移動して訪れたのが非公開の「滝の間」。この部屋の庭には大自然を感じる滝が作られています。その石の重さ47トン! 瀬戸内海の犬島、白石島などから運ばれたものだそうです。ガラス戸を開けるとゴーという轟音が聞こえてきました。アメリカのブッシュ元大統領も「テキサスの実家にいるみたいだ」とおっしゃったそうですよ。京都迎賓館に、いや御苑内にこんな見事な岩滝があるなんて本当に驚きです。この部屋を見るだけでもプレミアムガイドツアーに参加する価値ありです!

さて、勇壮な滝の間を辞した後は、京都迎賓館の中央に広がる池へ。

建物の向こうには御苑の樹々が生い茂り自然の中にいるような廊橋からの眺め。京都迎賓館のコンセプト、庭と建物が一体となる「庭屋一如」の思想が良く分かります。
この池には和舟を浮かべることもできるんですよ。琵琶湖の丸子舟を造り続けてきた滋賀県の職人親子三代の手になるもの。材は野槙とヒノキと高級浴槽にも使われる材なので、きっと乗ると良い香りがするんだろうなあ。
和舟の前のサイネージにこちらの映像が。ブータンの国王夫妻もお乗りになったんですって。すてき~! ロマンチック!! この先にあるのが非公開の「水明の間」。池を眺めるこの部屋の段通(だんつう・ジュータン)は青海波模様。ランダムに波型カットすることで、実際に波打っているように「光と影」を表現するという素晴らしさ。北海道産の栓(せん)の木を使った船底天井から下がるのは吉野杉と美濃和紙を使い、京指物の技を駆使したオブジェ。光ファイバーの灯を通すことで柔らかい印象です。ぜひぜひ、ご自身の目で見てください!

迎賓館ならでは。大人数の晩餐が行われる空間へ

最後に訪れるのは晩餐会や歓迎式典が行われる豪華な「藤の間」。正面には縦3.1メートル、横16.6メートル、39種類の日本の草花が綴れ織の技法で織り込まれた『麗花(れいか)』が飾られています。日本画家の鹿見喜陌氏の下絵を元に織を手掛けたのは、こちらも緞帳などでもお馴染みの川島織物さん。それぞれの草花の色を表わすために400色の糸を染めたのだそうです。その他、ぼかしや混ぜ合わせがあるので全色数は1000にものぼるそうですよ。うーん、すごい豪華。
上を見上げれば、こちらも京指物の光天井が。館内の随所に登場する京指物は奈良時代より伝わってきた技術なんですって。それぞれ昇降できるようになっていて、組み合わせると15パターンに変化するそうですよ。
最後は記念品販売コーナーへ。迎賓館で使われている文様や工芸品を使ったオリジナルグッズを販売しています。
そして京都迎賓館では3月17日(火)まで天皇陛下御即位慶祝行事の祝賀御列の儀で、天皇皇后両陛下が御乗車されたオープン・カーが展示されています。記念写真も撮れるので、間近で見られる大変貴重なこの機会にぜひ!

お帰りのお楽しみ! お土産をゲット

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